今月からできる歯の健康

その他

歯周病は日本人が歯を失う最大の原因です。そんな歯周病にならないためには、毎食後の歯磨きに加えて、1日1回の歯間フロス・歯間ブラシが大切です。歯ブラシだけでは、60%程度しか取れない汚れを80%近く取り除くことができます。

歯間フロス・歯間ブラシに加えて、歯周病予防に欠かすことのできないポイントをもう1つご紹介します。それは、年に1回の歯科健診です。

歯石

歯の石と書いて歯石(しせき)です。その名の通り歯や歯茎に付着するカチカチの塊です。

これは、口の中の細菌が固まったものです。

もともと口の中には、400種類以上の細菌が存在します。そしてその数は1000臆個とも1兆個とも言われています。これは、鼻水や便に含まれる細菌の数よりも遥かに多いことを意味します。

もともと細菌が沢山いる口の中で、食べ物の残りかすがあると更に増殖します。口の中の細菌は寄り集まって、固まると歯垢(しこう)を作ります。

歯垢の状態であれば、歯ブラシや歯間ブラシ・歯間フロスで取り除くことができます。

しかし、歯垢を放っておくと更に硬くなって、歯石になります。これはとてもカチカチで、歯ブラシや歯間フロス・歯間ブラシでは取り除くことができません。

もう、プロの手を借りるしかないのです。

歯科健診

この記事を読んでいるあなたは、健康への意識が高い人だと思います。そんなあなたが最後に歯医者さんへ行ったのはいつですか。

「歯医者は歯の治療をするところ」そう思う方もいます。また、「歯医者が嫌いで行きたくないから歯をしっかり磨いている」なんて方もいるのではないでしょうか。

しかし、よく考えてみて下さい。体の健康は毎年職場や地域の健康診断を受けていると思います。加えて、人間ドックや脳ドック、がん検診も受けている方もいるのではないでしょうか。体の臓器について毎年しっかりと点検が必要ということは、歯の点検も毎年必要だとは思いませんか?

歯科健診って何するの?

歯科健診は、その健診の種類や医療機関にもよりますが次のことをしてくれることが多いです。

  • 歯周病・歯肉炎の有無を確認
  • 虫歯の有無を確認
  • 歯磨き指導
  • かぶせ物やつめ物に異常がないか確認

もちろん歯石の有無も確認してくれます。そして、歯石が見つかって、本人が希望すれば多くの歯医者さんが歯石を取り除いてくれます。

歯科健診の頻度

推奨されている歯科健診の頻度は3~6か月に1回です。これには理由があります。

虫歯や歯周病は他の生活習慣病などと比べて進行が速いためです。「1年前は問題なかったのに、今年診てもらったら歯肉炎だった」なんてことにもなりかねません。

ただ、「何年も歯医者に行っていない」「数年前に歯が痛くて行ったきり」という人はひとまず今年だけでも、歯医者に行ってみましょう。

後で詳しくご紹介しますが、歯科健診の費用に補助が出る制度があります。勤務先や保健者によってもその頻度や補助される金額は異なりますが、補助が出る範囲の中だけでも歯科健診に行くと良いでしょう。

歯科健診が無料で受けられる?

歯科健診は内容や医療機関にもよりますが、自費で受けると3000円や5000円程度かかります。しかし、そんな歯科健診を無料で受けられる場合があります。

まず、会社員や公務員の方は、多くの保険者(全国健康保険協会、健康保険組合)が歯科健診の費用を補助しています。年に1回のところもあれば、年に3回というところもあります。

職場の保険を担当している部署に一度聞いてみて下さい。

また、あなたがちょうど40歳、50歳、60歳、70歳の場合市区町村が年に1回の歯科健診費用を補助してくれます。他にも自治体ごとに歯科健診の補助をしている場合がありますので、市区町村のホームページなどで一度確認してみると良いでしょう。

このように保健者や行政が歯科健診で補助をする理由、それは、歯科健診をして虫歯や歯周病を予防することで、医療費の削減につながるからです。健診で補助をすることにより、実際に歯周病の治療をしたり、入れ歯を作ったりするときにかかる費用が抑えられます。

つまり、それだけ効果があるというわけです。

※歯科健診の費用を補助する制度は、勤務先や保健者、また受診する医療機関によっても異なります。補助される金額に上限があることがありますので、受診前に必ず職場の担当部署や行政にご確認ください。

今は症状がないから歯医者に行かなくても大丈夫?

「症状がないから歯医者に行かなくても良いのでは?」と思うかもしれません。

症状がない状態で行く事が大切なのです。症状が出た時には歯科健診ではなく、治療のために歯医者に行きましょう。

虫歯は、進行して神経に触れて痛みが出るまで症状としては表れにくいです。また、歯周病も歯がグラグラすると感じた時には進行した状態の場合があります。そして、歯周病の原因となる歯石についても昨日なかった歯石が今日急に生まれてくることはありません。徐々に大きくなる歯石を症状だと認識して歯医者に行けるでしょうか。

つまりは、症状が出る前に定期的に歯医者に行くことが大切なのです。

まとめ

  • 歯科健診で歯石を発見、その後取り除いてもらうことができます。
  • 3~6か月に1回は歯科健診を受けましょう。少なくとも1年に1回は受けること大切です。
  • 歯科健診にかかる費用を補助してくれる場合があります。担当部署や行政に聞いてみましょう。

歯周病予防のポイントの1つである歯科健診をご紹介しました。2020年11月に発表された「歯科医療に関する生活者調査」では、日本人の3人に1人が定期的に歯科健診を受けています。前回の同調査が行われた2018年よりも歯科健診をうける人の割合は大きくなっているとのことです。

そのうち歯科健診を受けていない人の方が少数派になるかもしれませんね。

これを読んだあなたが、今からすることは「○○市 歯医者 おすすめ」と調べて、歯科健診の予約をとることです。歯科健診費用の補助を受けたい場合は、担当部署や行政に聞いてからにしましょう。

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