塩分の多い食べ物と言ったら何を思い浮かべますか?
ラーメン、ポテトチップス、漬物、塩辛などでしょうか。よく「ラーメンの汁を全部飲み干すと塩分7g、ラーメンを食べるときは汁を残すように」なんて言います。
家系ラーメンや二郎系ラーメンで完まくをしている人には辛い言葉かもしれません。
そうした「塩分が多いと言われるもの」や「塩辛いもの」は意識して控えることができますよね。しかし、思ったよりも塩分が多い食べ物があります。
そんな隠れ塩分の食べ物の中から今回は加工肉をご紹介します。
※この記事では日本食品標準成分表2015年版をもとにして食塩相当量を算出しています。
加工肉の塩分
加工肉、具体的に言うとハム、ソーセージ、パンチェッタ、グアンチャーレ、ベーコンなどです。
これは、食べられる食材100gあたりに含まれる塩分量を表しています。パンチェッタやグアンチャーレは製法がベーコンに似ているため、塩分量も同程度になると思います。
ベーコン100gあたり0.8gの塩分と聞いて少ないと思いますか?それとも多いと思いますか?
実際の料理で考えてみましょう。
例えばカルボナーラを作るときには100g弱のベーコンが入っています。そうするとそれだけで既に1日の塩分摂取量の10分の1程度は摂取したことになります。カルボナーラでは、ゆでる際に塩を加え、卵液に入れるペコリーノロマーノなどのチーズにも塩分が含まれています。そうすると1食で簡単に塩分2~3gほど摂取してしまう可能性があります。
減塩ポイント① ゆでる、煮る
1つ目のポイントは加工肉をゆでる・煮ることです。ゆでたり煮たりすることで、そのまま食べるよりも塩分が水分中に抜けていくため減塩となります。
加工肉をゆでた場合は焼いたりそのまま食べるときよりも「あっさり」とした口当たりになります。これは、味が薄いことをよく言っている訳ではありません。「あっさり」となるのです。
ウィンナーやベーコンのガツンとした味は姿を隠し、他の食材を邪魔しない優しい味わいになります。一度茹でるのは手間ではありますが、試す価値のある方法です。
そして筆者の最もお勧めするのはポトフなどの煮ものです。ベーコンやウィンナーを煮物に入れると塩抜きになるだけでなく、加工肉の出汁がスープの中に溶け出します。さらに、加工肉の薫香がスープに移ることでパンチのあるスープになります。
加工肉を煮る際に、注意点があります。
それは、汁を沢山飲まないことです。煮ることで減塩になるのはスープに塩分が溶け出るためです。塩分の溶け出たスープを全量飲み干したら塩分摂取量は同じになってしまいます。
加工肉を使った煮込み料理をする際には、スープに入れる塩の量を減らすことも方法の1つです。
減塩ポイント②普通の肉に置き換える
2つ目のポイントは加工肉を普通の肉に置き換えることです。
加工肉はもともと冷蔵庫などの保存技術が未発達の時代に、腐りにくく日持ちすることを目的に開発されたそうです。そのため、そもそもが塩分の多い食材なのです。
そこでいっそのこと加工肉を普通の肉に替えてみるのはいかがでしょう。
具体的に考えてみましょう。
あなたがカルボナーラを作るとします。カルボナーラにベーコンやグアンチャーレをいつも入れるところ、鶏のもも肉に替えてみます。鶏のもも肉は100gあたり0.092gの塩分です。塩で下味をつけて100g入れたとしてもベーコンを使ったときよりも大幅に減塩できるのです。
まとめ
- 加工肉は塩分が多い
- ゆでて・煮て減塩
- 普通の肉に置き換えて減塩
今回は加工肉の塩分についてご紹介しました。減塩のポイントを2つお伝えしましたが、やはり加工肉はうまいです。カリカリのベーコンや生ハムのサラダを食べて舌鼓を打たないことはありません。そして何よりもお酒に合います。
ただ、いつまでもベーコンや生ハムを食べるためには、健康を維持しなくてはならず、そのためには減塩を考えなければなりません。
今回ご紹介した2つのポイントは減塩目的もありますが、料理の幅が広がる方法でもあると思います。加工肉を使った料理はどうしても味の主張が強くなってしまいます。加工肉をわき役としてお野菜の味を引き出すという、ワンランク上の料理にチャレンジしませんか?
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