聞き上手になる3つの方法

保健師の日常

保健師という仕事は人とコミュニケーションをとる場面が多いです。

保健指導では住民と話しますし、事業を進めていくためには他部署や関係機関の職員と話します。日々の業務でも、保健師1人で進めていく事業はあまりありません。事業の多くは同じ部署の職員と一緒に進めていきます。

そんなコミュニケーションをとる場面の多い保健師は、話す力と同じくらい聞く力が必要になってきます。そんな聞く力の内の3つをご紹介します。

この3つを意識するだけで、普段の会話も今より少し楽しくなると思いますよ。

オウム返し

聞く力と言っても、イメージし難いかもしれません。

「うんうん」「へぇ」「そうなんだ」といったものが思い浮かぶでしょうか。これでも良いのですが、もう1つステップアップしましょう。

ポイントは「ちゃんと聞いているよ」と話し手に伝えることです。

【友達がスタバに行った話をしている場面】

友達「この前スタバに行ってさ」

あなた「うんうん」

友達「新作のフラペチーノがめっちゃ美味しかったんだよね」

あなた「へぇ」

これでも「ちゃんと聞いていますよ」というアピールにはなりますが、生返事であまり関心が無いようにも聞こえますよね。

では、これならどうでしょう。

友達「この前スタバに行ってさ」

あなた「うんうん」

友達「新作のフラペチーノがめっちゃ美味しかったんだよね」

あなた「フラペチーノ美味しかったんだ」

友達「そうなの。イチゴとチョコが最高だった!」

これは、「フラペチーノが美味しかった」という事実を繰り返しているだけですが、「へえ」よりも「聞いてますよ感」がありますよね。

このように、話し手が言ったことを繰り返す、すなわち「オウム返し」するだけで、聞いてる感がぐっと上がります。聞いてる感があがると、話し手はもっと話したくなります。

要約

人にものを伝えるときに、ついつい話が長くなってしまうことがありますよね。

プレゼンテーションや健康教育など、あらかじめ話す内容を吟味する場合は別として、日常的な会話では思ったことを話し、聞いた内容に対し感じたことをリアクションすることでコミュニケーションをとっています。

そうした準備の無い状態で話すときには、話す側も要点を抑えずに話してしまうことがあります。

そんな時に使えるのが要約です。

【あなたの友人が地元の友達について話している場面】

友達「地元の友達なんだけどさ。よく飲みに誘ってくれるのは嬉しいんだけど、遠いから行くの大変なんだよね。でも断るのも断りづらいから無理していってるんだけど。はぁ。」

あなた「地元の友達の誘いに困ってるんだね」

友達「そうなんだよ。どうしようかな。」

このように、話した内容を要約することで、「聞いてる感」が出ます。

さらに、話したい内容が整理されるため、話す側も話しやすくなります。

しかし、オウム返しよりも少し難しいです。要約するためには、聞き手が十分に話を理解し、要約し、話すというステップがあります。特に内容を要約するというステップは、最初は難しく感じるかもしれません。

普段の会話の中で、要約することを意識して人の話を聞くと徐々にできるようになっていきます。

関心を持つ

これは、聞き手の意識についてです。

こんな場面を考えてみましょう。

【保健師がメタボリックシンドロームの方へ保健指導をする場面】

保健師「Aさん、去年より体重が2kgくらい増えていますね。おかずはどういうものが多いですか」

Aさん「揚げ物が多いです」

保健師「揚げ物には、脂質が多く含まれているため体重が増えやすいです」

住民「はい」

保健師「揚げ物を食べ過ぎないように気を付けましょう」

このやりとりでAさんが、揚げ物の量を減らすことはないでしょう。このとき保健師はAさんの話に関心があるのではなく、何をしたらAさんの体重が減るかに関心が向いています。

もちろん、この場面での保健師の目標として体重減少は間違っていません。しかし、保健師がAさんの話に関心を向けなければAさんも保健師の話に関心を持つことはないでしょう。

では、Aさんの話に関心を持つ場合は、どのような聞き方になるのでしょうか。

【保健師がメタボリックシンドロームの方へ保健指導をする場面】

保健師「Aさん、去年より体重が2kgくらい増えていますね。体重が増えた原因は、何か心当たりがありますか」

Aさん「家で揚げ物を食べることが多いことですかね」

保健師「揚げ物が好きなんですね。揚げ物というと鶏のから揚げとか豚カツとかですか」

Aさん「鶏のから揚げが多いです。特に最近は飲み会が減った分、家で唐揚げを肴に飲んじゃいますね」

保健師「晩酌されるんですね。飲み会が減ったというのはコロナでですか」

Aさん「そうなんですよ。前は毎週飲み会があった分、家ではあまり飲まなかったんですけど…」

このように、保健師がAさんに関心を持つと話しが広がります。

関心を持つと「揚げ物は何を食べるのかな」「飲み会が減った理由はコロナかな」など気になってきます。保健指導の場面を想像すると関心を持つというイメージが湧きにくいかもしれません。

友達との会話をイメージしてみて下さい。

【友達があなたに旅行の土産話をしている場面】

友達「この前沖縄行ってきたんだ」

あなた「えええ!沖縄!いいなぁ。沖縄のどこに行ったの?」

友達「ソーキそば食べて、美ら海水族館行って、青の洞窟も行った!」

あなた「めっちゃ行ったね。美ら海いいよね。ジンベイザメ見た?」

友達「見た見た。すごかったよ!」

こんな感じではないでしょうか。友達が旅行に行ったと聞いたら、「どこにいったの?」「何をしてきたの?」と興味が湧きますよね。そうすると友達も「あそこに行ってきたんだ。すごかったよ。」と話したくなります。

同じように保健指導でも、関心を持って聞くことで、対象者も話したくなるのです。

まとめ

  • オウム返し
  • 要約
  • 関心を持つ

今回は、聞き上手になる方法を3つご紹介しました。

保健師としての業務でもそうですが、日常生活においても聞き方を意識するだけで会話が楽しくなります。話し手も楽しく話せるため、交友関係や家族関係も良くなるかもしれません。

あたなも聞き上手を目指してみませんか?

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