保健師って何?

保健師の日常

筆者は以前、保健師をしていました。

保健師という職業を知っている人は少ない気がします。実際に、筆者も大学に入るまで保健師は何をする職業なのかほとんど知りませんでした。

小学生や中学生の将来なりたい職業で「保健師」というワードは見たことがありません。

そんな筆者的にマイナーとも思える職業の保健師について少しご紹介します。

保健師とは

保健師とは何か。

日本では保健師助産師看護師法という法律で次のように定められています。

「この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。」

英語で言うとPublic health nurseです。

日本で定められている法律は保健師助産師看護師法です。そして、英語ではnurseという単語が用いられます。つまり、看護師と同系統の職種であると言えます。

英語ではPublic(公共)health(健康)nurse(看護師)なので、地域の看護師となります。

筆者は市町村の保健センターで勤務していたため、地域の健康を維持、促進するというイメージが強いです。

この記事を読んでいるのが看護系の学生であれば、ヘルスプロモーションやウェルネス、一次予防、二次予防、三次予防を地域で行っているというとイメージし易いかと思います。

つまりは、地域住民の健康を維持・促進していくのが保健師です。

保健師の仕事

保健師の仕事は多岐にわたります。

保健師がアプローチするのは地域住民です。年齢的にみれば子供から高齢者まで全てです。

妊娠中の方、産後のお母さん、乳幼児、精神疾患を持つ方、介護が必要な方などなど。住民の特徴で見ても様々です。そして、健康な方へもアプローチします。

では、どんなアプローチをするのか。

筆者は当時、成人の担当していたので、その経験から一つご紹介します。

成人とは大人のことです。つまり、子供以外のすべての年齢が対象となります。

例えば健康診断を受けて、検査結果から生活習慣病のリスクが高い人を見つけます。その人に、電話や面接、訪問をして、今どのくらい生活習慣病になりかけているのか、また予防するためにはどうしたらよいのかなどをお伝えします。そして、半年ほどの関りを続け、生活習慣病のリスクがどの程度低下したかを評価します。

これは、保健師の仕事の一例です。

地域で生活している人を対象として保健活動を行うことが保健師の仕事です。

保健師の1日

では、保健師の1日の流れをご紹介します。筆者が保健師をしていた時のある1日です。

  •  8時00分  出勤、メールのチェック
  •  8時30分  朝礼、保健センター内の清掃
  •  9時00分  月末の健康教育の準備
  •  11時00分  午後の乳幼児健診の会場準備
  •  12時00分  休憩
  •  13時00分  乳幼児健診
  •  15時00分  月末の健康教育の準備
  •  17時15分  退勤

こんな感じです。始業は8時30分でしたが、メールのチェックや1日のタスクの確認をしておきたかったので、8時くらいに出勤していました。他の保健師さんは8時20分くらいの人が多かったです。

筆者は成人を担当しており、健康教育を行うことが多くありました。そのため、業務に占める割合も健康教育の準備が多かったです。準備の内容は、パワーポイントの作成、配布資料の作成、エビデンスの確認、練習などです。

担当は成人でしたが、乳幼児健診などは人手が必要であるため、乳幼児健診担当の保健師以外の職員も準備から実施まで関ります。

残業についてですが、筆者の職場は比較的少なかったです。ただ、他の自治体の保健師さんに話を伺った際には、「定時で帰れることの方が少ない」と話される方もいました。

そのため、同じ保健師でも職場や部署、担当業務によって、残業の時間は大きく異なると思います。

保健師になるためには

前述したように、保健師として働くためには看護師免許と保健師免許の2つが必要になります。保健師免許を取得しても看護師免許を取得できなければ保健師として働くことはできません。

看護師を養成する専門学校、短期大学、大学を卒業し、看護師国家試験に合格することで、看護師免許を取得できます。

保健師免許を取得するためには、看護師と保健師の両方を養成する学校を卒業し、両方の国家試験に合格する方法があります。また、看護師免許取得後、保健師養成学校へ入学し、保健師国家試験を受けるという方法もあります。

保健師の70%以上が行政で働いています。具体的には市町村の保健センターや保健所、都道府県庁などです。

行政機関に就職するためには、就職試験で面接+公務員試験を受けることになります。公務員試験では一般教養の試験やSPIと言われるものを採用しているところもあるため、保健師の専門的な勉強のみならず、そうした試験への対策も必要になってきます。

保健師の楽しさ

筆者的に思う保健師の楽しさを1つご紹介します。

それは、対象の方と長くかかわる中で、健康的な生活へとアプローチできることです。

例えば特定保健指導では、半年ほどかけて、対象者の生活習慣病リスクが低くなるようにアプローチします。初回の面接では、多くの対象者が面倒くさいと感じている様な反応をします。

長年続けている生活に対し、「健康に良くないよ。変えた方が良いよ」と言われると思っているため、当然の反応と言えます。また、そうした方々はあまり自分の食生活や運動習慣について話したがりません。

しかし、電話や面接で少しずつ関りを持つことで、対象者と保健師の関係性が構築されます。

ある方では、「パン食とごはん食だとどっちの方が体に良いの?」と質問をしていただけるまでになりました。

その方は、もともと生活習慣を変える気持ちはなかったものの、半年後には食事だけでなく運動も生活に取り入れていました。

このように、住民との長期的なかかわりの中で、関係性を構築し、「今までよりも少し健康的な生活を送ってもらえるようにサポートできること」が保健師楽しさの1つかなと思っています。

まとめ

  • 保健師は地域の看護師
  • 地域の人の健康を維持・促進することが保健師の仕事
  • 保健師になるには看護師免許と保健師免許の両方が必要
  • 保健師の楽しさの1つは長期的なサポートの中で健康を支援できること

今回は、保健師という職種についてご紹介しました。この記事には筆者の考えや感想、思いが多く含まれています。そのため、保健師仕事を具体的に知りたい方や、保健師免許の取得方法を知りたい方は身近な保健師さんに聞いたり「保健師 免許 取得方法」と検索してみて下さい。

私は保健師をしていた日々はとても楽しく、充実していました。この記事を読んで保健師という職種に興味を持ってもらえる人が増えれば嬉しく思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました